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展覧会予定:瀧口修造展

瀧口修造展 

Takiguchi Shuzo

2016年7月9日(土)~7月31日(日)*月・火休

オープニングレセプション7月10日(日) 17:00-19:00

「無題」デカルコマニ―、紙 19.3㎝×13.8㎝

SHUMOKU GALLERYでは、詩人・美術評論家・芸術家として幅広く活躍した瀧口修造(1903-1979、富山県生)の作品展を行います。

瀧口は慶應義塾大学在学中にシュルレアリスム運動を知って深く共鳴し、1927~31年頃には、日本の前衛詩の極北と位置付けられる詩を集中的に発表しています。1930年にアンドレ・ブルトン『超現実主義と絵画』を翻訳したのを契機に、美術評論家としての活動を開始し、シュルレアリスムの紹介・普及活動を繰り広げました。1937年に山中散生とともに開催した「海外超現実主義作品展」(春鳥会)は、その代表的な成果といえるでしょう。戦後は新聞・雑誌に膨大な美術評論を発表する傍ら、1951~57年には「タケミヤ画廊」の208回に及ぶ企画展の運営を引き受け、また「実験工房」の活動に顧問格として関与するなど、その後国際的に活躍する多くの前衛芸術家を発掘・紹介し、彼らからも「唯一の理解者」として絶大な信頼を寄せられました。

1958年のヴェネツィア・ビエンナーレに日本代表・審査員として訪欧し、ブルトンやルーチョ・フォンターナ、マルセル・デュシャンらと面談してからは、その活動は大きく変化します。美術評論の筆を擱く一方、多くの造形作家に私信の形で詩や展覧会序文を提供するようになり、ジョアン・ミロやサム・フランシスら内外の多くの造形作家と詩画集を共作しました。また自らも数多くの美術作品を制作するようになり、1960年からわずか数年の間にドローイング、バーント・ドローイング、デカルコマニー、ロトデッサンなど、多彩な手法を開拓しました。一人の造形作家として評価されるべき質と量を具えており、個展も5回ほど開催しています。あらゆる現代美術の元祖であるデュシャンとの親密な交流も、見落とすことはできません。1963年頃に瀧口が構想した架空の「オブジェの店」に対して、デュシャンからその女性変名「ローズ・セラヴィ」を贈られ、その返礼として『マルセル・デュシャン語録』(1968年)を製作しています。デュシャンの「大ガラス」の一部を立体化したマルチプル「檢眼圖」(1977年。美術家岡崎和郎との共作)も製作しました。

本展覧会では、造形作家瀧口修造に焦点を当て、その代表的な手法の一つであるデカルコマニーの作品を中心に展示いたします。瀧口の活動や作品を名古屋で紹介する機会としては、2003年の名古屋市美術館「瀧口修造 オートマティスムの彼岸」展以来13年ぶりの、貴重な展覧会となります。是非ご高覧ください。


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