加納典明

TENMEI KANOH 

-ピンクの犬-

2018/9/5(WED)-9/11(TUE) 10:00-19:00

会期中無休

​会場:名鉄百貨店 美術サロンⅢ

1960年代から現在まで世界各地で撮影された写真を加工し、ペイントを施したキャンヴァス作品を発表いたします。
近年次々と鮮烈なアートフォトを発表し、国内外で活躍著しい写真家・加納典明。76歳にして新境地となる作品です。

「ピンクの犬」に寄せて

有余、写歴58年になる。写真がアナログからデジタルに変遷したが、フィルムにある人間感性がデジタルには無い。第1にデジタルは写り過ぎる薄っぺらな記録でしかない。文明の進化の一結果ではあるが、人間にとって人間を失わないことは当たり前だが、此れは何も古典主義とかではなく、人はデジタル写真に関わらず安易、便利、簡単、速い、とかのレベルで実存するべきでは無いのは云うを待たない。しかし日常という非現実な時を、何奴も此奴も送っている。その空しさを人々の有様に垣間見る。先ずは個の独立を持っているかだ。皆んな我を想う気力を持てよ。デカルトが言ったよな〔我思う故に我あり〕と、詰まりは貴方は貴方なのか、日々挑戦しているか否かが肝要で殆どの人は立場等に囚われ、実存する具体を知らずに時を送っている。今回、写真をデジタル変換して絵創りしながら、なんだかツマンネエナと思いつつ、デジタルしてる時に突然、[ピンクの犬]って降って来た。何故ピンクの犬なのか分からない。脳の記憶パルスが突然おかしな繋がりをしたのだろう。後は辿々しく写真と云う具体を絵画にと向った作品です。既に写真をデジタル変換した時点で一つの世界観と可不足ながら作品となっている、其れになぜ加筆する・・・。写真が出来てからベーコンを始め古今の画家が写真を利している。私は写真に少なからず、自信と勇気と誇りに腕を持っている。作品が写真であるか絵画であるか等々、ジャンルなど気にもしていない。アートに方法論など如何でもよいが、此の時代に生きている以上、写真と絵画の迷宮を彷徨し到達しえない真理などと云う人間の愚かに向かってみるのも一興と云うことか・・・。写真に関しても未だ未だ限りなくチャレンジするが、この先、降って来た[ピンクの犬]に、いま少し未来への創造をしてみるかな。

2018年9月

加納 典明